「俺も詳しいことは分からないけど、強烈な恋愛感情、恋愛衝動を伴ってしまう精神疾患があるらしいんだ」



「お姉ちゃんは病気だったの?」



「あぁ」



「光はそれを知っているの?」




「家族だから当然知っていると思う。そしてそれが自分にもあるんじゃないかって恐れている」




そんな…



だから光はなかなかお姉ちゃんのことが克服出来ないんだ。



どうしてあげたら良かったんだろう。



側にいてあげるだけじゃダメだったんだ。



それに…



「光は恋をしている。相手が誰だかは知らないけど、万が一失恋しちゃったらどうしよう。光まで失うのは嫌だ。なんとかして成就させてあげなきゃ」




そう言うとなぜか先生はフッと笑うだけで何も答えてくれなかった。



でも、お姉ちゃんが病気だと聞いた時から胸の内に芽生えた想いがある。



それを言葉にするのは躊躇われたけど、言葉にしないと決心が鈍ってしまう。



だから先生に思い切って言うことにした。