「蛍?どうかした?ぼうっとして。手を動かさないと終わらないよ」
「あ、ごめん。でもね、幸せそうで羨ましいな、って思ったの」
「蛍みたいに自然といい男が集まってくる方が羨ましいと思うけど」
「いい男?」
「例の生徒会の先輩たちに新山先生。それに水城くん…って、そうだよ!新山先生が嫌なら水城くんに勉強教えて貰えば?水城くんの実力は先生方のお墨付きでしょ?」
主席入学。
その後の中間試験も学年1位。
そんな光は人に教えるのが嫌いじゃないから頼めばきっと教えてくれる。
でも言葉が話せない光にとってそれはすごく大変な事で…
「あ、そうだった。無神経だったね。ごめん」
「ううん」
光とユカに接点がほとんどないんだから、そんな風に自分を責めるような顔をしなくても大丈夫だよ。
でも、それがユカの優しさなんだよね。
一見物静かで近寄り難い存在だけど、心は本当に暖かい。
ユカと友達になれて嬉しい。


