人の声が聞こえた気がしてゆっくり目を開けると、視界に飛び込んできたのは大好きな友達。
「ユカ…」
「蛍!目が覚めた?大丈夫?」
その声と表情からどれだけ心配掛けてしまったのかが分かる。
申し訳なくて、でも心配してくれたのが嬉しくてユカに微笑んで見せると強張っていたユカの表情が和らいだ。
「心配したんだからね」
「色々とごめん」
「ううん。それよりも少し顔色良くなったみたいで安心した」
朝から身体が怠い気がしていたけど、まさか倒れる程の熱があったとは思わなかった。
あれ?
そういえば…
「誰がここまで運んでくれたの?」
「新山先生だよ」
ユカはそう言うと、寝ている私の死角で隠れるようにしていた先生の腕を引き、私に近付けた。
「先生…迷惑掛けてごめんなさい。でもありがとうございました」
「いや…」