今日は帰りにユカとケーキを食べに行く予定だったのに。



「補習なら仕方ないよ」



「それでもごめん。この埋め合わせは必ずする」



「うん。期待してる」



「ほんとごめんね」



「ううん。でも、少し羨ましいかな。新山先生の個別指導でしょ?代われるものなら代わりたい」



「そんな事言って、彼氏が聞いたら怒るよ?」



「大丈夫だよ。私が美しい男を好きなの知っているから」



絵画が得意で美術部に所属しているユカらしい言い方だけど、そんな風に堂々と言えるのは余裕の表れ。



ユカは自分がどれだけ愛されているか自身でよく分かっているし、彼氏の方もユカが裏切らない事を知っている。



話だけしか聞いてないけど、信用と信頼。

相思相愛。


その言葉がユカを見ていると思い浮かぶ。