蛍と光


嘘だろ…



他の教科はさておき、英語はまるで出来なかったのに。


学祭以降、俺は教えてないし。



それに英語が1位という事は…



「俺様を振るなんて大した女だよ」



そう言いながら先生がまた取り出したのは別の紙。



それは試験中に配られ、最終日に提出しろと言われた紙だ。



俺はそんなのどうでも良かったから白紙で提出した。



その紙が目の前に置かれている。



そしてもう1枚。


可愛げのない達筆な字ではっきりと書かれているのは進路先と将来の夢。




《国立大 医学部 心療内科医》




「誰が書いたものか分かるか?」



誰の…なんて聞くまでもない。


これは蛍の字だ。


見慣れた蛍の字。