「私も普通に女子だから恋話は楽しいと思うよ」
そっか。
そうなんだ。
「でもユカは『どうして先輩を断ったの』って聞かないよね?」
「聞いて欲しくない事くらい、友達なら分かるよ」
うわ…
ちょっと泣きそう。
みんながこぞって真相を探ろうとしている中でこういう風に言ってくれた人はいなかった。
本当に嬉しい。
でもユカの言葉って裏を返せばクラスのみんなとは友達じゃないって事だよね?
まぁ、確かに仲良くはないけど。
「蛍の場合はさ、芸能人の熱愛と同じ感覚なんだよ。だから周りは蛍の気持ちとかあまり考えないで単純に興味本位で話を聞きたいんだと思う。何せ入学してから4人に告白される人なんて身近に滅多にいないからね。そこは分かってあげて」
「そうだね…」
なんでも嫌だ、嫌だじゃ友達は作れないよね。
「グチくらいは聞くから」
そう笑ったユカは本当に同い年なのかな、って疑いたくなるほど大人びて見えた。