蛍と光

光のおかげ…って言ったら語弊があるかもしれないけど、光がきっかけを作ってくれた事で活気付いた。



その事で光と離れる決意をしなきゃいけなくなったのは辛いけど、結果的に光を失い、友達を得た。



だからなんとか立っていられる。



隣にはユカがいてくれるし。



でもいざ光の教室のドアを前にすると気持ちが動揺してしまい、一度ドアに向かって伸ばした手を思わず引っ込めてしまった。



「蛍、私が先に入るよ。で、水城くんがいるかどうか見てあげる」



「ユカ…ありがとう」



「気にしない、気にしない」



そう明るく言うと、ユカは何の躊躇いもなくドアを開けて中に入った。



昨日までは私もああやって入って行けたのに。


「わ~……」



入口付近で落ち着きなくキョロキョロしている私を他所に、室内に入ったユカがため息とも歓声とも言えない声を上げた。



それが気になって顔を向けると振り返ったユカが視線は前に向けたまま私を手招く。



「蛍…すごいよ。水城くんならいないから早く入って見てごらん」



少しホッとしながらユカ越しに中を覗くと視界いっぱいに入って来たのは大きな1枚の絵。