ユカは私が光と会いたくないんじゃないかって気にしてくれている。
私の気持ちやこの目の腫れ、一緒に帰る約束をすっぽかされた事を聞けば優しいユカなら当然そう思うよね。
でも約束したんだ。
見に行くって。
「気まずくないの?」
「光がいるとは限らないから。それにユカも見たいって言ってたでしょ?だから、ね、行こう!」
心配そうな顔をするユカの手を取って、当番のみんなに声を掛けてからさらにテンション上げて教室を出る。
「うわー!賑わってるね!!」
「ほんとだ。昨日より人が増えてるかも」
土曜日で学校が休みだから、他校の制服を着た生徒をチラホラ見かける。
「応援喫茶だって。なんだろう?行ってみようか」
その声が聞こえる度、ユカと顔を見合わせて笑顔で頷く。
「今日も午後から忙しいかもね」
「蛍は声平気?」
「少し枯れてるだけだから大丈夫。それにみんなもいるし」
クラスメートの女の子たちは今日も朝から頑張って声を張り上げている。


