「蛍?大丈夫?」



昨日から私は何度ユカにこの台詞を言わせているんだろう。



心配そうな顔までさせて。



「ごめんね、ユカ」



気持ちを学祭最終日に向けて切り替えてきたはずなのに、目を閉じるとどうしても光が浮かんできて涙が滲んでしまう。



ゆっくり目を開ければユカが目の前にいてくれてホッとするけど、上手く心のバランスが取れない。




「目が腫れてる」



メイクをしてくれるユカに心配掛けまいと昨日泣いた後、かなり長い時間目を冷やしたつもりだったんだけど、やっぱりバレちゃった。



泣き疲れて寝ちゃったのがいけなかったのかもしれない。



「少し濃くメイクしたから大丈夫だと思うけど」



「わぁ!ありがとう!」



器用なユカはメイクも上手。


腫れぼったかった目がキリッとした張りのある目に変わってる。



昨日に引き続きユカにお願いして良かった。



綺麗なメイクによってテンションが上がる。



「うちらは準備出来たら午後まで自由にしていいって言われたけど、どうする?どこか回る?」



「じゃあ光のクラスのモザイクアート。見に行こう」



「え?大丈夫なの?」