「……え?」



光は私の事、なんでも分かるんだよね?



それじゃあ私が光の事、好きだって分かっているの?


だから離れようと、避け始めているの…



「嘘…」



『なんだよ?』



そう聞かれても何も答えられない。


目も合わせて貰えないのはそういう事でしょう?


口に手を当てると、光は呆れたようにひとつため息を吐いてから身体の向きを壁側に変えてしまった。



向き合わないと光とは会話が出来ないのに。



もう向き合えないんだ。



それなら…



忘れなきゃ。


この想いを。



消さなきゃ。



恋という感情を。




やっと分かった。




お姉ちゃんの気持ち。



ずっとどうして想いを胸のうちに留めておかなかったんだろうって思っていた。



片思いなら傷つかなくていいのに、って。



だから私は永遠の片思いをしようと決めた。



でも光に好きな人がいるかもしれないって知って、ようやく理解出来た。



恋は片思いでさえも辛いんだって。




実らない恋は辛過ぎるって。



もっと早く気付くべきだった。


こんな苦しい想いをする前に。



どうして光と離れることを想定していなかったんだろう。



私は本当にバカだ。