蛍と光


「蛍?大丈夫?」



「あ、うん。大丈夫」



ユカに心配掛けたくなくて無理に笑ってみたけど、ユカの事だからきっと無理に笑っているの、分かってる。



ごめん。



せっかくみんなと仲良くなれる機会に暗くなってたらダメだよね。



すぅっと大きく深呼吸して気持ちを落ち着かせる。



「でもさ、もったいないよね。青柳さんも水城くんもモテるのに誰とも付き合わないなんて」



「光って…そんなにモテるの?」



前にユカも同じような事を言っていた。


でも高校に入ってから告白されてるって聞いた事はない。



ううん。


知らないだけかも。



私にはその手の話はしないから。



「モテるよー。あんなにカッコイイんだもん」



「話せなくても?」



「そこ、母性本能くすぐられるよね」



母性本能…?



「青柳さんもそうなんじゃないの?」



「え?」



「恋愛をするつもりがないのに唯一、水城くんと一緒にいるのはそういう事でしょ?同情的な」