「青柳さん。ちょっといい?」
着替えを済まし、メイクを落としてから光を待っていると、マネージャーさん筆頭に数名の女子が私の元にやって来た。
その顔ぶれを見て、ハッとする。
「わわ。ごめん。ごめんなさい」
「え?」
「私、裏方に回る予定だったのに前に出ちゃって…明日は必ず裏方に回るから」
先生に呼び出されたとはいえ、忠告を破ったのは私。
「本当にごめんなさい」
「ううん。違う。違うよ、青柳さん。謝るのは私たちの方」
「え?」
謝る?
「私たち青柳さんに嫉妬してたの。それで目立つな、とか言っちゃって。ごめんなさい」
まさか謝られるとは思ってもみなかった。
ただその言葉が胸にじんわり広がって、自然と涙が溢れてくる。
「青柳さん、泣いてるの?!ごめん。本当にごめん。青柳さんだってクラスの一員なのに。一生懸命準備だってしてくれたのに。本当にごめんね」