「水城ー!長岡ー!青柳さんのところの応援喫茶行こうぜー」
学祭当日。
モザイクアートは完成してしまえば特にやる事はない。
交代で受付に待機していればいいだけで、あとは自由だ。
だから山田に誘われるがまま長岡と蛍のクラスへと向かう。
「青柳さんの学ラン姿楽しみだよなー」
「山田、写真はどうしたの?」
「全部新山に持って行かれた」
「データ保存しておかなかったのか?」
「削除された。ほんと意味わかんねーよ、アイツ」
そっか。
山田も長岡も新山先生が蛍の事を好きだって知らないのか。
まぁ、普通に考えてないもんな。
新山先生が蛍に目を付けているのは0点を取ったからって公言してるし、新山先生に彼女がいないように見えないし。
でも俺に賭け事の内容を流暢な英語で話した時の先生の顔付きは真剣だった。
あれはからかっているわけじゃない。
大人の男の本気。
それを俺は見た。