学祭の準備を終え、帰宅してから1時間。


夕飯を食べると眠くなるって蛍が言うから帰宅次第、俺の部屋で英語を教えているんだけど、何か気になる事があるらしく、全く集中しない。



トップを取らなければ新山先生と付き合う事になるんだぞ、って言っても集中力はその時だけで持続しないし。



先生と付き合う事は絶対に嫌だと言うくせに何なんだよ、一体。



いや、それより俺は何やってるんだ。



蛍はちゃんと集中すれば必ず1位を取れるだけの実力がある子だって俺が1番よく知っているじゃないか。



ずっと側にいたくて、蛍に追い付きたくて必死に勉強していたのは俺の方なんだから。



放っておいたって大丈夫なはずだ。



それなのに放っておけず、勉強まで見てあげてるなんて。



いくら蛍の事が気になるからって、補習先に突撃して行く必要はなかった。



行かなければあんな賭けをすることはなかったんだから。



勝った方が蛍を手に入れられる、だなんて。



蛍は長岡の事が好きらしいっていうのに。



ほんと、なんでこんなことに…。