なに?


今、ドキッとした。


思わず飛び起きちゃうほどに。



『蛍?大丈夫か?』



「う、うん」



びっくりした。


あんな真剣な顔するんだもん。


なんか変だよ、最近の光。


私の心臓も。



『今日から帰宅後、1時間、集中して教えるから』



「うっ…1時間も?」



『漫画読みに来る時はそれ以上いるだろ』



「で、でもさ、それって迷惑じゃない?」



光だって試験勉強しなきゃいけない訳だし、予備校だってある。



『復習になるから平気』



「予備校は?」



『試験対策なんて普段の復習に過ぎないから元々行くつもりない』



「じゃあ……今回ばかりはお願いしようかな。元はと言えば光のせいだし」



『元はと言えば蛍が0点取るからだけど』



怒りを表すためにプゥっと頬に空気を入れて膨らますと、その部分を指で突いてきた。



「ブフゥ〜」



変な音が出るけど、同時に笑えば昨日のキスのことはもう気にしなくなっていた。