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すっかり夜も遅くなった帰り道。
あたしと太一は、東堂ホテル最寄り駅まで、歩いていた。
「良かったなぁ結婚式。
やっぱり憧れちゃうね」
「スズに好きな奴でもいるの?」
「……」
「…ごめん、失言だった」
「ううん、大丈夫。
気にしないで。
あたし、何だか海先輩のこと、上手く吹っ切れそう。
そうしたら今度は、また新しい恋をするんだ!」
星がちらちらと瞬く夜空に向かい、あたしは叫んだ。
そして気が付く。
「そういえば約束したよね?
太一がお兄さんと透子さんに自分の気持ち言えたら、あたしも葉月に全て言うんだって」
「約束したな」
「でもよく考えたら、葉月に気持ちを言う時、太一いなくない?」
「あっ、確かにそうだな。
…だけど、俺は見ていなくて良いや」
「え?」
同じように空を眺めていた太一が顔を、あたしの方へ向けて、ニッコリ笑顔を浮かべた。


