「おはよぉ~」 雪はいつものように、みんなに挨拶しながら自分の席へと向かった。 皆も、戸惑いながらも挨拶を交わす。 私はというと、雪と手を繋いだまま軽く会釈しながら歩いていた。 私たちが席に着くまでの間、誰も話さないでじっと私たちを見ていた。 普通は、こんな空気にはならないだろう。 だけど、あの雪と私だもんね。 びっくりするのも当然だよ。 平常心を装っても、内心は何を言われるか ドキドキしていた。 「おぉぉ~」 不意に、静まり返った教室の端の方から声がした。