「ゆき………、まだかなぁ」 いくらお気に入りの場所だといっても、雪や雄也くんといる事に慣れてしまった私にとって 1人って言うのは、寂しいものでしかない。 ちょっとチクチクする草の上に寝転ぶ。 気持ちよさげに、さわさわ……と揺れる葉。 その間から零れるキラキラとした光は、宝石みたいに綺麗で優しい。 春の暖かい風と、桜の葉の優しい音は、まるで子守唄のように心を落ち着かせ 気付くと、深い眠りへと誘われていた。