「さくらっ、帰ろ?」


まだ横で冷やかしてくる雄也くんを軽く無視しながら、雪は私の方に顔を向けた。




「うん、帰ろっか」



まだまだ授業はあるんだけど、今日だけは………。



神様、仏様、お母様、先生様……お許しください!





「えっ、帰んの?んじゃ俺も帰ろっかなぁ~…」

「は…?絶対ダメ」

「……ふっ、冗談だよ!俺は二人の仲を邪魔する程、野暮じゃないぜ……。あばよ」





しばらく雪とワイワイやったのち、雄也くんは何処で覚えたのかもわからない




変なクサイせりふを言って、教室のある方向に歩き出した。




もちろんよくあるあのポーズ。



後ろ姿のまま、片手を中途半端な高さに挙げるというアレをしながら………。