「ねぇ優菜、俺のこと名前で呼んでよ」 先輩と付き合い初めてしばらくたったころ、そんなことを言われた。 私は先輩に膝の上に乗せられて、すぐ耳元で言われたのを覚えている。 「やっ、だって、恥ずかしい…です」 「え、優菜言ってくれないの? 俺のこと嫌い?」 眉毛をハの字にさせながら先輩はそう聞いてきた。 「なっ、違いますよ ……恥ずかしいです、よ」 そう言うと、照れた顔もかわいーなんていいながら先輩はさらに抱きついてきた。