「優菜」


騒々しい教室でも通るその声は、先輩のもので先輩が迎えに来たことを示す。


「彼氏様のお迎いが来たよ」


そう言う音羽ちゃんの顔は笑っていて、いつも優しく送り出してくれる。




「先輩、こんにちわ
今日はどこ行きます?」

「ん、今日は屋上の気分かな」


残りのお昼休みを過ごす時間はいつも違っていて、先輩の気分で決まる。


「わかりました、じゃあ行きましょう!」


私の声で先輩は歩き出し、その隣を私が歩く。