すると突然呑気な声が響く。 「あれ、優菜じゃん そんなところで何やってんの」 「っ!先輩!」 「あれ、そこの君、俺の彼女に何やってんの?ん?」 先輩は私たちのところへ来ると、佐野くんの手から私を解放し、自分の腕の中に収めた。 「だめだよ、俺の物に手ぇ出しちゃ ……殺しちゃうよ?」 私に抱きつきながらそんなことを言う先輩の声色はとても冷たく、怖かった。 犬のように甘えながら猫のように鋭い先輩は、犬猫系だ。