そこには、陸斗くんが立っていた。
「シャボン玉っ」
あたしは立ち上がり、陸斗くんと向かい合う。
「いや、それは見てわかんだけど……なんでシャボン玉なんて……」
「陸斗くんもやる?はいっ」
あたしはニコッと笑ってシャボン玉のストローを差し出した。
「やらねぇって」
「なんで?楽しいよ?」
あきれたような顔であたしを見る彼は、黙りこむ。
でも、陸斗くんから話しかけてくれた。
それが、すごく、すごく。
うれしかった。
それに今日の彼の瞳は。
どこか、いつもより優しく感じる。
気のせいかな……。
「おまえ、ガキかよ?」



![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)