陸斗くんを待っている時間は、全然苦じゃなかった。
なぜだか、ひとりでいても幸せに感じられた。
「わかった。でも彩葉、日曜日の約束は忘れないでよ?」
「もちろんっ!楽しみにしてるっ」
日曜日は、彼女たちと少し遠出をして、洋服などのお買い物に行く約束をしている。
「彩葉、がんばってね。押して、押しまくって、永瀬くんのこと振り向かせてやんなっ」
「うんっ!がんばるっ」
みんながあたしに手を振りながら笑顔で帰っていく。
「バイバーイ。ありがと~」
そう叫びながら、あたしは両手を大きく振って、みんなが帰っていく姿を昇降口から見送った。
今日もまた、いつもと同じこの場所。
昇降口の階段に座って、陸斗くんがやって来るのを待つ。
陸斗くんと一緒に帰りたいから。
もっと話がしたいから。
あたしのことも、もっと知って欲しいから。



![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)