――これが、7年前の夏。



あたしの忘れることのできない夏の思い出。



あの日、“ナツキくん”という男の子に出逢った。



泣いてるあたしをおぶってくれて、迷子になったあたしを助けてくれた。



一瞬の出逢いでも。



あたしには、初めての恋だった。



それからもずっと、あの日のナツキくんの笑顔が忘れられなかった。



だけど、きっともう。



……逢えない。



そうわかっていても。



あたしは、それから他の誰かに恋をすることはなかった。



中学生だった頃も告白されたことはあったし、仲のいいグループで一緒に遊んでいて楽しいと思う男の子もいた。



でも、友達以上に思える人は。



好きって思える人には。



あの日みたいに、胸が高鳴る人には。



あれから7年間、一度も出逢えなかった。



あの夏の日から、いくつもの夏を越えてきたけど。



夏になって、ひまわりが咲くのを見るたびに思い出すよ。



あの日の君を。



あたしの初めての恋を――。