「おまえの家って、どこなわけ?」
陸斗くんの声に、ハッと顔をあげる。
いつも陸斗くんが利用している、学校近くのバス停が見えてきた。
「あ、バス停のベンチで下ろしてくれれば大丈夫っ」
「足は?」
「お母さんに電話するから。仕事そろそろ終わる頃だし、車で迎えに来てもらうよ」
「そうしてくれ」
ホッとしたような陸斗くんの声に、あたしはニコッと笑った。
「家まで30分も歩いておんぶしてもらうなんて、陸斗くんに悪いし」
「あたりまえだ」
「ふふっ」
本当は、
陸斗くんにおんぶされたまま、時間が止まればいいのにって……そう思った。
でも、陸斗くんにおんぶしてもらえたこと。
きっと、一生の思い出だよ。



![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)