――翌日の朝。
昨日の雨が嘘だったかのように、きれいな青い空が広がっていた。
教室に向かう途中の廊下で、前を歩いている陸斗くんの後ろ姿を見つける。
「おはよーんっ」
そう明るく元気な声で、
あたしは陸斗くんの背中をボンッと両手で押した。
「うっわ……っぶねぇ」
危うく転びそうになった陸斗くんを見て、あたしは自分の口元を両手で押さえた。
「ご、ごめん……」
思いっきり、にらまれた。
「ちょっと力が入りすぎちゃったみたい……」
「バカぢから」
「へへっ」
舌をぺろっと出して笑うあたしと、冷たい瞳でにらんだままの陸斗くん。
よかった……いつも通り。



![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)