そのとき、走ってきたバスがゆっくりと目の前に止まった。 「陸斗くんは何もしなくていい。あたしが追いかけるから」 バスのドアがゆっくりと開く。 「どんなに冷たく押し返されても、あたしは負けないからっ」 陸斗くんを想う気持ちは、誰にも負けない。 「バイバイ、陸斗くん。また明日ねっ」 そう言って、傘の中から出ようとしたあたしの手を、 彼が後ろからぎゅっと掴んだ。