そのとき、 向こうの方から、あたしと同い年くらいの男の子たちの叫ぶ声が聞こえた。 『おーい!ナツキー!遅いじゃんかぁー』 ナツキ……? あたしは男の子の横顔を見る。 この子……ナツキくんていう名前なんだ。 『おー、ごめーん!いま行くー!……じゃっ』 そう言って男の子は、あたしに向かってニコッと笑ったあと、友達のほうへとすぐに走っていってしまった。 『あ……』 走っていく男の子の背中に向かって、あたしは大きな声で叫ぶ。