「俺は、誰も好きにならない」 あたしから視線をそらした彼は、前を向いて落ちついた声で答えた。 「え……?」 「この先も、俺は誰とも付き合う気はないから」 前を向いたままの彼の横顔を。 あたしは見つめていた。 彼の瞳が。 どこか悲しげで、寂しそうで。 「どうして……?」 あたしが聞いても、彼は黙り込んだままだった。