「陸斗くんっ」 彼の姿を見た瞬間にあたしは笑顔になる。 今日はずいぶん早いなぁ。 読みたい本がなかったのかな。 ここで待ち始めてから20分も経ってないと思う。 「図書室からおまえが……」 顔を背けてつぶやいた彼の言葉が、よく聞き取れなかった。 「え?いま、なんて言ったの?」 「いや、別に……なんでもない」