「笑った…」 「……え?」 彼女は筆を下ろし、絵の具のたくさんついた顔で見つめる。 あぁ、可愛い顔が台無しだな。 でもきっと俺はもっとひどいことになってるんだろうな… そんなことを考えていると急に彼女の顔から笑顔が消えた。 「さっき泣いてたから…」 「…えっ……」 「寝てるとき…泣いてたよ?」 ……泣いてた? あの夢を見たとき俺は泣いていたのか? 菜央が離れていく夢を見て… 「おにいちゃん…だいじょうぶ?」 また夢の内容を思い出して表情が暗くなった俺の顔を覗き込む。