「松田っ!ごめんなさいっ!あ、あたし、今日一緒に回れないっ。」


松田は、一瞬驚いた顔をして、その後、少し寂しそうに笑う。


「……黒崎?」


「……え?」


「黒崎と回りたいんでしょ?」


あたしは、顔が熱くなるのを感じて俯く。


「分かりやすいね。吉川。」


そう言って、優しく笑う松田。


「黒崎なら、階段上のすぐそこの屋台に居たよ。白田さんも一緒だったけどね。」


「あ、ありがと!松田っ!!!ごめんね!!!」


そう言って、あたしはまた走り出す。



この上に洸ちゃんが居る!


早く!


早くっ!!



階段を上がりきらないうちに、屋台が見えてくる。


そこに…………



「洸ちゃんっ!!!!」



-----------ブチッ!!!