あたしは、声のした方を振り返る。


洸ちゃんがニヤニヤしながら笑って立っている。


「何を一人で浮かれちゃって。
少しは真面目に勉強しなさいよ。」


「洸ちゃんこそ!教室の中ほっつき歩いてるの洸ちゃんくらいだよ!」


みんな次の小テストに向けて必死に机に向かってるのに!


って、あたしが言えないか!



洸ちゃんは勉強に関して天才肌だから、昔からちょっと教科書を読んだだけで高得点を取っちゃう。


千里に言わせると、こういう余裕な所が、洸ちゃんがモテる原因の一つらしい。
(千里はウザイって言ってるけど。)


あたしは、ちゃんと勉強しないと良い点なんて取れないから、そんな洸ちゃんにどれだけバカにされたか分かんない!


みんな色眼鏡付きすぎだよね。


洸ちゃんは、優しいけど意地悪さんですよって教えてあげたいよ。