あたりは暗くなりたちまち人の気配が少なくなっていく。

もうすぐ深夜と言うところだろうか。

「………ってめっ!どこ見てんだよ!」

「あ?お前こそどこ見てんだよ」

聞こえてくるのはよった不定浪士の喧嘩の声だけ。

それも目の前でおっ始めるのだ。たまったものではない。

「ちょっと、お兄さん方ここでの喧嘩はよしてくださいよ。やるなら他の場所で…」

「っるせー!手ぇだしてんなや」

「ー。じゃあそこどいてよ。俺喧嘩に巻き込まれるのとか嫌なんだけど」

「んだと、坊主。」

男が刀を抜いた。

「ちょっと落ち着いてよ。俺刀使えないからさお願いだから」

「問答無用ー!」

男が刀を振りかざしてきたので急いで刀を抜き受け身をとった。

「っぶな。お兄さん俺刀触れないからさ
間違って殺しても呪わないでね。」

男の刀を押しのけ鞘に刀をしまう。

「どうした、もう終わりか?」

俺は、鞘のまま刀を握り男の鳩尾に突き立てた。

「ゔぅっ!」

軽く悲鳴を上げて倒れた。

ザッッ。

「その人君がやったの」
突然、浅葱色の羽織を羽織った人が出てきた。
「…………うん。」

「ちょっと屯所までついてきてね。」

「え、やだ。」

「…いいから黙ってついてこいよ」
その人の殺気が凄くて逃げ出せなかった。

「……………」

俺は、その人についていった。