「藤堂さん」
「平助で良いって。紗菜もそう呼んでるし」
にかっと笑う藤堂さん。
「ありがとう、ございます」
「敬語もいらねーって。真面目だなぁ音は」
真面目、それは嫌いな言葉。
でも藤堂さんは悪くない。
「今から紗菜が総司と稽古するみたいだから行こうぜ」
「あ…私はまだ洗濯があるので、大丈夫です」
「息抜きも必要だろ?」
ぐいっと腕を掴まれ、稽古場へ連行された。
「あ、ありがとう、平助くん」
「何がだよ?ま、良いけど」
稽古場に入ると、むっとした熱気が私たちを出迎えた。
「はぁっ!」
「こっちだよ紗菜ちゃん」
軽く避ける沖田さんと紗菜の声。
「沖田さんずるい!」
「あはは、それっ」
「一本!勝者、沖田!」
入ってすぐに勝負がついてしまった。
「楽しかったか、音」
「ええ、身のこなしから何から…綺麗で」
本当に綺麗だった。
勝負がついてしまったとはいえ二人ともが無駄の無い動きをしていた。
「そういや音は?」
土方さんが思い出したように言った。
一歩踏み出そうとすると、
「勝手場じゃないですかね?」
沖田さんが答える。
「あの、私」
ここに居ますと訴えるが聞こえていない。
「真面目だよなぁあいつは。紗菜も見習えよ?」
原田さんだ。
「まーちょっと真面目すぎてつまんないとこもありますけど、紗菜よりか女らしいな」
耳を、塞ぎたい。
「うるっさいです!私だって女だし!音は優しいです!」
もう、もう、私は。
気がついたら稽古場を飛び出していた。
「音っ!?」
焦ったような平助くんの声が聞こえたような気がした。
「平助で良いって。紗菜もそう呼んでるし」
にかっと笑う藤堂さん。
「ありがとう、ございます」
「敬語もいらねーって。真面目だなぁ音は」
真面目、それは嫌いな言葉。
でも藤堂さんは悪くない。
「今から紗菜が総司と稽古するみたいだから行こうぜ」
「あ…私はまだ洗濯があるので、大丈夫です」
「息抜きも必要だろ?」
ぐいっと腕を掴まれ、稽古場へ連行された。
「あ、ありがとう、平助くん」
「何がだよ?ま、良いけど」
稽古場に入ると、むっとした熱気が私たちを出迎えた。
「はぁっ!」
「こっちだよ紗菜ちゃん」
軽く避ける沖田さんと紗菜の声。
「沖田さんずるい!」
「あはは、それっ」
「一本!勝者、沖田!」
入ってすぐに勝負がついてしまった。
「楽しかったか、音」
「ええ、身のこなしから何から…綺麗で」
本当に綺麗だった。
勝負がついてしまったとはいえ二人ともが無駄の無い動きをしていた。
「そういや音は?」
土方さんが思い出したように言った。
一歩踏み出そうとすると、
「勝手場じゃないですかね?」
沖田さんが答える。
「あの、私」
ここに居ますと訴えるが聞こえていない。
「真面目だよなぁあいつは。紗菜も見習えよ?」
原田さんだ。
「まーちょっと真面目すぎてつまんないとこもありますけど、紗菜よりか女らしいな」
耳を、塞ぎたい。
「うるっさいです!私だって女だし!音は優しいです!」
もう、もう、私は。
気がついたら稽古場を飛び出していた。
「音っ!?」
焦ったような平助くんの声が聞こえたような気がした。


