あなたにありがとう

翠side


雪斗さんは私をレストランに連れてきてくれました。


「こうゆうレストランの方が安心かと思って。好きなの頼んで?」


どうやら雪斗さんは私のことを全部聞いた様でした


私は食欲がなくて選べず困った顔をしました


前ならどれにしようか迷ったはずなのに


今はどれも食べたくない…


そんな自分にとても苛立ちました


「選べないなら適当にたのんでもいい?」


「はい。」


雪斗さんなりに私を気づかってくれたのでしょう


注文してしばらくするとグラタンが運ばれてきました


私は勇気を出してフォークを握りました


でも、手が震えてしまって動かせませんでした


すると、雪斗さんが隣にきてポンッと頭に手を置いて


「大丈夫だよ。落ち着いて深呼吸してみて」


私は雪斗さんに言われたとおり自分を落ち着かせるように深呼吸しました


そして、グラタンをすくってゆっくり口に運びました


「おいし…」


1ヶ月ぶりに食べたご飯はとても美味しくて、優しい味がしました


しばらく食事をしていなかったのであまりたくさんは食べられなかったけど


雪斗さんのおかげで食事ができるようになった私は嬉しくてポロリと涙をこぼしてしまいました


「え…大丈夫?翠ちゃん!」


私が泣いてしまったことにオロオロとしている雪斗さん


私はそれがおもしろくて泣きながら笑ってしまいました


「ふふ、雪斗さんはおもしろいですね。」


「え?そう?」


そう言われて困った顔をする雪斗さんがおもしろくてまた笑ってしまいました


そしてその後はふたりで顔を見合わせて笑っていました


雪斗さんは面白い話をたくさん聞かせてくれて


人と食事をとることが楽しいことだと思い出すことができました