その人は突然来たのです
「みんな、今日は雪斗お兄ちゃんが遊びに来てくれたからね!」
先生がそう言うと子供達は喜んでいました
雪斗さんはこの孤児院出身で高校生のころ里親に引き取られたそうで今も孤児院のことを気がけて来てくれる人だそうです。
社会人になったばかりで大変だけど月に2回くらい来てくれると先生が私に説明してくれました
私は興味もなく関係も持ちたくなかったのでさっさと図書室に向かいました
この出会いが私を救ってくれるとも知らずに
いつもどうり本を読んでいました
すると雪斗さんと先生が私を呼びに来ました
「お昼ご飯できたよ。おいで」
爽やかなお兄さん
そんなイメージでした
「いりません。」
「でも…」
雪斗さんが何か言おうとしたことを先生がさえぎりました
「翠ちゃん、そろそろ食べないと。体重が何キロ落ちたと思ってるの?栄養剤だけじゃ生きていけないのよ」
「わかってます。でも、やっぱり食事をするのは怖いです。毒なんか入ってないってわかってます。だけど、思い出してしまって…嫌なんです」
「一人で抱え込まないで。ご飯が少しずつでも食べられるようにみんなでがんばろう?」
「…」
頑張るってどうするのよ…
そう思いました
雪斗さんと先生は困ったような顔をして出ていきました
そして、しばらくすると雪斗さんが戻ってきて
「外食しに行こうか」
と私に声をかけました
すごくびっくりしました
「え?」

