あなたにありがとう


「ただいまー!」


私はなにも知らない少女でした


世の中の汚さも大人たちの勝手な都合も


何も知らない


無知で純粋な少女でした


でも、幸せは儚いものです


「翠、話があるの。座って」


いつもなら、母はにこやかにしておかえりと言ってくれるのに


この日は言ってくれませんでした