おとしたてのコーヒーに、ティースプーン半分のシュガー。

これが父のお好み。

私はいつもなら、スプーン一杯。

でも今日は、なんだか甘いものが飲みたくて、スプーン二杯にする。

四人がけのテーブルに父の徳太郎と二人。

この状態にもだいぶ慣れた。

四年前までは、ここに、母、佳代の笑顔があったのだ。

「はい、お父さんコーヒー」

「ああ……ありがとう」

父は、愛用のクマさん柄のマグカップを大きなごつい両手で包むように受け取ると、『コクン』と一口口に含んだ。

私は、立ったまま、システムキッチンに寄りかかってコーヒーをすする。

――うわ、苦っ。

甘いはずのコーヒーはひどく苦く感じて、思わず顔をしかめる。

寝不足のせいかもしれない。