――うわっ、凄いイケメン……。
理知的な中にも、ほのかに漂う大人の色気。
同じ銀縁メガネをかけているのに、『あの人』とは、ぜんぜん印象が違う。
ふと、まだ古傷になりきれない心の生傷が、チクチクと痛み出す。
って、暗くなってる場合じゃないぞ、私!
時間だ、時間っ!
「は、はのっ、めんれすにひまひた!」
そう言って、まだズキズキずる鼻を押さえながら立ち上がり、頭一つ分高い所にあるイケメン氏の顔を見上げた。
でも、鼻を押さえての発音は不明瞭で、案の定、彼は訝しげに眉をひそめている。
「面接に、来まひた!」
仕方がないので、鼻を押さえていた手を外して、私はもう一度同じセリフを繰り返す。
「ああ、面接ね……」
まるで不審者を見るような訝しげな表情のまま、私の顔をじいっと見下ろしていたイケメン氏は、合点が行ったように小さく頷き、高そうな腕時計にチラリと視線を走らせた。



