午後三時四十分。
コンビニの駐車場で時間を調整した私は、それでも二十分の余裕を見て会社に向かい、車を走らせた。
コンビニの店員さんの話では、二、三分の距離のはずだから、少なくても十五分前には着けるはずだ。
このくらいなら、早すぎず遅すぎず、ちょうど良い時間だと思う。
コンビニから会社に続くと言う道はセンターラインが無い少し細めの舗装道路で、道の両側は一段低く田んぼになっている。
雨に濡れ、揺れる青々とした稲穂の絨毯。
そこを、まっすぐな道がどこまでも続く。
晴れた日に窓全開で走ったら、さぞかし気持ちがいいのんびりとした田舎の風景の中を、車を走らせること二分弱。
右カーブを曲がりきったところで、進行方向左側に、この風景には妙にそぐわない大きな建物が見えてきた。
地上四、五階はありそうな、立派なシルバーのビルディング。
――あ、あれだ!



