ゴールデンウィークが過ぎたばかりの、五月の大安吉日。

月曜日の午後。

あいにくの、降り出しそうな曇り空の下。

私は、愛車の白い軽自動車を、相変わらずの亀並のトロトロ若葉マーク運転で、後続車に迷惑をかけながらも、気分良く走らせていた。

今の気分を一言で表すなら、

『どっきどっき・わっくわっく』

白天使茉莉と黒悪魔茉莉が、仲良くオクラホマミキサーを踊っていそうなかんじだ。

大きな期待とそれと同じ質量の不安で、私の小さな胸は高鳴っていた。

でも、やはり、期待の方が大きいかもしれない。

なんと言っても今から、篠原茉莉の人生20年で、初めての『会社の面接』があるのだ。

『株式会社 FUDOU』

この面接に、今後の生活がかかっている。

確かに、プレッシャーはある。

でも、私のやる気モードは、絶好調。

未知なる世界への挑戦。

現代の女は、どんどん社会に出なくちゃ、だ。