「ちょっと、しっかりして! 祐一郎、祐一郎、ちょっときて!」

――ユウイチロ?

ダレ、ソレ?

あ、もうだめ。

何も、考えられない……。

身体が、闇の底に落ちていく。

そんな感覚に包まれながら、私の意識は、そこでぷっつり途切れた。

ゆらゆら、ゆらゆら。

ふわふわ、ふわふわ。

心地よい感覚に、私は包まれていた。

――なんて、暖かいんだろう……。

いつだったか、そう。

子供の頃、こんな感覚を味わったことがある。

お父さんの黒いダンプカーは、まるで鯨さんのように大きい。

黒と灰色の、ツートンカラー。

ダンプカーの中には、運転席と助手席。

それと。

その後ろには、車なのに横になって眠れる寝台席。

そこに『ごろりん』と寝ころんで、枕代わりのクッションを抱えて眠るのが大好きだった。