料理はどれもとても美味しくて、大満足。
 
 満腹になったところで、お風呂や洗面所の使い心地を詳しく報告すれば、最後に残るは部屋の奥にドーンと置かれている、オスマントルコ後宮仕様のキングサイズベッド。

 このベッドの使用感チェックも私が任された。

「俺は、シャワーを浴びてくるから、どんな寝心地か試しておいてくれ」

 そういって、社長はバスルームへさっさと行ってしまった。

 そうは言われても。

 おずおずとベットに近づき、ベッドサイドでぐるりと見まわし、ごくりと喉を鳴らす。

 大きい。

 そして、イケナイ妄想を刺激する、このデザイン。

 うん。仕事をしよう。仕事を。

 そう念仏のように自分に言い聞かせて、ベッドカバーをめくってベッドの端に腰を降ろせば、柔らかい適度な弾力が返ってきて、思わず口の端が上がる。

 柔らかすぎず硬すぎず、とても寝心地がよさそうだ。

 よいしょっ、とベッドに上がり込みパフンと腹ばいにダイビングすれば、洗いたての清潔なシーツの匂いが鼻腔に届いた。

 そのままくるりと上向きになり、枕に頭をのせると、すうぅと意識が眠りの底に引き込まれそうになる。