この『愛の城』の評価は四つ星。

 コメント欄を見てみると、『料理が美味しい』という書き込みが多かった。

「それじゃ、温かいうちに食べるとするか」
 
 ちょうどお腹も空いてきたから、このごちそうは嬉しい。

「いただきます」と言って何気なく視線を合わせれば、社長は柔らかい笑みを向けてくれた。

 うわ。激レアスマイル、頂きましたっ!

 まずは、少しずつ味身をしてみる作戦で行く。

 ハンバーグはふっくら柔らかく、お箸で割れば、ジューシーな肉汁がとろりとこぼれだした。

 小籠包も同じく、口に入れればアツアツジューシーな肉のうまみが口いっぱいに広がる。

「おいしいー」

 しみじみと言えば、社長は「これもうまいぞ」とエビチリのエビを一つ箸でつまんで私に差し出した。

 もちろん、口元に。

 目の前にエサをまかれた錦鯉のごとく。

 反射的にパクリと口に頬張って、はたと気づく。

 あああ。『お口に、あーん』、されてしまった。

 ああ、こんなに幸せでいいのだろうか。

 いいよね? いいんだよね?

 いままで何もなかった分、まとめてご褒美(ほうび)貰っているだけだよね?

 エビチリのぷりぷりの食感を堪能しながら、私はしみじみと幸せをかみしめた。