「いらっしゃいませ。大変申し訳ございません。ただいま満室ですので、あちらの待合室でお待ちいただけますか? 空室が出ましたら順番にお呼びいたしますので。フリードリンクとなっていますので、おくつろぎくださいませ」
社長は頷いて番号札を受け取ると、フロントの女性が教えてくれた待合室の方へ私の肩を抱いてリードするように歩いていく。
そのあまりのさりげなさに、驚く暇もあらばこそ。
恋人つなぎの次は、肩を抱かれてしまった。
なんだかこれ、恋人の親密度がだんだんアップしていってませんか?
このまま進んだら、フルコース……。
いやいやいや、ないないないっ!
フロントから少し奥まったところにある待合室は、こぎれいな喫茶店といった感じだった。
やはり、ここもオープンで、私たちを入れた四組のカップルが少し離れたテーブルに座っている。
ちらりと視線を走らせてチェックしてみたら、皆私たちと同じ二十代くらいの若いカップルがほとんどだ。
確かに、年配の人には、このオープンさは敬遠されてしまうかもしれない。



