【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】



 社長の隣りへ小走りで行くと、おもむろに手を繋がれた。

 それも指と指をからめあった『恋人つなぎ』だ。

 社長の長くて少し冷たい指先に『ぎゅっ』と自分の指を握りこまれて、瞬時に頬に熱がこもる。

 手、初めて手を繋いでしまった。

 気恥ずかしさと嬉しさで、思わずへにゃりと頬の筋肉が緩んでしまう。

 いや、これは仕事だから!

 自分に言い聞かせるも、嬉しいものは嬉しいのだから仕方がない。

 お手て繋いで入り口の自動ドアから一歩足を踏み入れれば、そこに広がっているのは中世のお城、ではなく予想外に近代的なホテルのフロントだった。

 我がホテルクロスポイントのフロントは、お客様が料金を支払うために必要な最低限のスペースを確保して視界を制限する作りになっている。

 これは、ラブホテルという性質上お客様の顔を見ないために配慮したもの。

 でもこの愛の城のフロントはまったく正反対だった。

 普通のホテルのようにカウンターがあるだけで、視界はフリー。

 そこに普通のホテルの従業員のような制服を身にまとった女性が、にこやかなビジネススマイルを浮かべて立っていた。