「答えを聞いていないんだが?」

思わず『慎重に検討します』とちゃかしそうになり、思いとどまった。

タイミングはどうあれ、祐一郎さんは真剣にプロポーズしてくれている。

だから、私も真剣に答えなくては。

私は、まぶたを閉じて自分の心に問いかける。

『病めるときも健やかなときも、苦楽をともに分かち合い、祐一郎さんとずっと一緒に生きていきたい?』

私の中に迷いはなかった。

だから。

「はい」

祐一郎さんの瞳をまっすぐに見つめて、しっかりうなずいた。