「来年、大学を卒業したら、結婚しないか?」 いきなりのプロポーズに、思わず息が止まる。 「……」 「茉莉?」 なぜ、感情メーターが振りきれそうな今、このタイミングでプロポーズ? 「……ずるい」 「へ?」 「今、そんなうれしいこと言われたら……」 ただでさえ決壊寸前だった私の涙腺は耐えきれずに、一気にダーっと涙があふれ出した。 せっかく、がんばってメイクしたのに、台無しだ。 慌ててハンドバックからハンカチを取り出そうとすると、頭を優しく引き寄せられた。